ALTI芸術劇場 Vol.24

京都アルティ弦楽四重奏団
Kyoto Alti String Quartet

2015年10月10日(土)

インフォメーション

~室内楽の極み 弦楽四重奏団の最高峰~

公演名 ALTI芸術劇場 Vol.24
京都アルティ弦楽四重奏団
日時 2015年10月10日(土) 15:00開演(14:00開場)
会場 京都府立府民ホール アルティ
出演 豊嶋泰嗣(Vn)・矢部達哉(Vn)・川本嘉子(Va)・上村昇(Vc)
プログラム ブラームス:弦楽四重奏曲第1番ハ短調 op. 51-1
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 op.130
料金

【全席指定・税込】
一般前売:4,500円(アルティメイト優待価格:3,500円) アルティメイト会員詳細へ
学生前売:3,000円(アルティメイト優待価格:2,000円)
プレミアム席前売:5,500円(アルティメイト優待価格:4,500円)
※当日500円UP

※プレミアム席は、音響的・視覚的に優れたお席です。
日本庭園に囲まれた茶室にて呈茶サービス(お茶・お菓子)付。
(府民ホールアルティのみの取り扱い)
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※都合により出演者等が変更になる場合がございます。

チケット取扱 京都府立府民ホール  075-441-1414
京都府立文化芸術会館  075-222-1046
チケットぴあ  0570-02-9999(Pコード:264-256)
ローソンチケット  0570-000-777(Lコード:58366)
チケット発売日 アルティメイト優先発売  6月18日(木)10時より
一般発売  6月20日(土)10時より
お問合せ 京都府立府民ホール  075-441-1414
(9時~18時/第1・第3月曜日休館)
主催 京都府・創 <(公財)京都文化財団・(株)コングレ共同事業体>
   【京都府舞台芸術振興・次世代体験推進事業】
助成 公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション【alti classic selection】

プロフィール

gengaku-photo京都アルティ弦楽四重奏団は、ヴァイオリニストの豊嶋泰嗣と矢部達哉、ヴィオリストの川本嘉子とチェリストの上村昇という4人の一流のソリスト達によって1998年に京都で結成された。
アルティの名前は彼らがレジデント・カルテットとして活動している京都府立府民ホール“アルティ”の名前を冠している。その活動は京都のみならず日本各地に広がっている。
このカルテットの特徴は、京都のレジデントホール府民ホール“アルティ”ではベートーヴェン弦楽四重奏曲を毎回1曲ずつとり上げており、その他にもモーツァルトやハイドン、ドヴォルジャークの弦楽四重奏曲を重要なレパートリーとしている。曲によって第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが入れ替わるのも大きな特徴で彼らの実力の高さを物語っている。
室内楽の中心的存在である弦楽四重奏を、ソリストとして活躍しながら、まとまりの良い演奏を展開していくのは至難の技だが、4人は一様に安定したテクニックを持ち、緻密さを保った中で自己を主張しており、その音楽の表情にもデリカシーとニュアンスがあふれていて、結成以来ますます成熟し、名実共に日本のトップ弦楽四重奏団の一つとなった。 2008年、第28回音楽クリティック・クラブ賞受賞。

 

 

豊嶋泰嗣

Yasushi Toyoshima (Violin)

1991年村松賞、第1回出光音楽賞、92年芸術選奨文部大臣新人賞受賞。現在兵庫県立芸術文化センター管コンサートマスター、新日本フィル ゲスト・ソロ・コンサートマスター、九州交響楽団桂冠コンサートマスター。1719年製ストラディヴァリウスを使用。

 

矢部達哉

Tatsuya Yabe (Violin)

東京都交響楽団のソロ・コンサートマスターを務める傍らサイトウ・キネン・オーケストラ、ソロ、室内楽で活躍。1995年第5回出光音楽賞、平成8年度村松賞、96年第1回ホテルオークラ音楽賞を受賞。現在、上野学園大学音楽・文化学部教授。

 

 

川本嘉子

Yoshiko Kawamoto(Viola)

1992年ジュネーヴ国際コンクール・ヴィオラ部門最高位(1位なしの2位)。96年村松賞、97年第7回新日鉄音楽賞・フレッシュアーティスト賞受賞。91年東京都交響楽団に入団。99年より2002年退団まで首席奏者を務める。

 

 

上村 昇

Noboru Kamimura (Cello)

1977年、第46回日本音楽コンクール第1位。第6回カサド国際チェロ・コンクール優勝。83年第1回京都府文化賞新人賞受賞。2001年第19回京都府文化賞功労賞受賞。現在、京都市立芸術大学教授、桐朋学園大学特任教授。

公演レポート

ALTI芸術劇場 Vol.24

京都アルティ弦楽四重奏団

2015年10月10 日(土)、御所の緑も薄化粧を始めた涼やかな気候の中、ALTI 芸術劇場vol.24 京都アルティ弦楽四重奏団の公演が開催されました。プレミアム限定呈茶サービスのお茶室前に広がる庭園では、石蕗(つわぶき)の黄色が、鮮やかに彩りを添えて、ご来場いただいた皆様をお出迎え。「こんなお茶室があるなんて」と、喧噪から離れ、心静まる贅沢なひとときを、本公演前に楽しんでいただきました。

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ジョウビタキのさえずり響く、色づき始めた庭園の緑
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18 世紀の意匠が変わらず生きる和菓子

そして、いずみホール(大阪)のステージマネージャも務める、音楽評論家の小味渕彦之氏によるプレトーク。各演目の解説の前に、まずは演奏順変更のお断りが。本来、ブラームス『弦楽四重奏曲第1番』、ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第13 番』の順番が、ベートーヴェンを先に、ブラームスを後にと、直前のリハーサルで出演者から声が挙がり変更に。歴史の流れを追う形で演奏することで、各弦楽四重奏曲の違いもはっきりとしてくるとの配慮も兼ねて、と説明される小味渕氏。曲順変更の影響は…と本公演への期待も高まります。

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【プレトーク】小味渕 彦之氏(音楽評論家)
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わかりやすい説明で、本公演の楽しみ方を広げる小味渕氏

さて、本公演はまず、ベートーヴェンの最晩年の作品、6 楽章構成による『弦楽四重奏曲第13 番ロ長調 op.130』。 小味渕氏のプレトークでは、「最終結論というべき作品」、「1817 年以降の孤高的様式、悟りをひらいている時期」と紹介。2007 年、京都アルティ弦楽四重奏団の演奏では、ベートーヴェンによって差し替えられる前の、大フーガ入りの第6 楽章を演奏し、今回は、差し替え後の第6 楽章を演奏。好みもあるが、今となってはどちらも正解、と小味渕氏。第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、それぞれのパートが、細やかなの心の襞と意志をうたい上げながら、まるで1 つのペルソナ(仮面)であるかのような、京都アルティ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの響き。そこにためらいの音はなく、動=生、ユーモアに彩られた肯定の音楽がホールを満たします。

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【公演中(左から)】矢部 達哉氏、豊嶋 泰嗣氏、上村 昇氏、川本 嘉子氏
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【公演中】ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 op.130』
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【公演中】ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 op.130』
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【公演中】ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 op.130』

ベートーヴェンの響きに酔いしれた後は、隣接する日本庭園を眺めながら、次のブラームスに向け、しばし憩いの一時を。
涼風にリフレッシュした後は、「ベートーヴェンとブラームスの音楽の違いを感じ取ってもらいたい」という小味渕氏の言葉を思い出しながら、いよいよブラームス『弦楽四重奏曲第1 番op.51-1』の公演です。
「ブラームスは、実は我々からそう遠い人物ではないのです。私(1971年生まれ)の祖父は、ブラームスの亡くなった翌年に生まれています。つまり、ブラームスは、祖父の少し前の世代なのですから」との小味渕氏の言葉から、ブラームスをより身近に感じつつ、その音楽をひもとき、見えてくるのは、ベートーヴェンの重圧に悩まされた姿。それは、何度も繰り返される、煮え切らないメロディーに象徴的に表れています。その逡巡する思い。さらに、ベートーヴェンの楽曲に比べ、各楽器の個としての自立を明確に感じとることができるのも特徴です。

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【公演中】ブラームス『弦楽四重奏曲第1 番ハ短調 op.51-1』
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【公演中】4 回のカーテンコールに応える演奏者

鳴り止まぬ拍手喝采に包まれて、本公演も無事幕を閉じました。引き続き、エントランスホールにて開催された、豪華プレゼントの当る抽選会、出演者も参加の交流会。いつにも増して、アットホームな雰囲気の交流会だったのは、リピーターの方が多い、京都アルティ弦楽四重奏団の公演ならでは。ワインなどを嗜みながら、音楽のお話、記念撮影など、各々公演の余韻を、出演者の皆様と満喫しておられました。

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【抽選会】アンケートにご記入いただき参加いただいた抽選会
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【交流会】終演と同時に多くの方々で賑わう交流会
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【交流会】来場者のお客様に飾らぬ笑顔で快くサインに応じる川本氏            
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【交流会】演奏の疲れも見せず次々とサインに応じる豊嶋氏
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【交流会】気さくな人柄で音楽談義を交わす矢部氏
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【交流会】どんな方とも気軽に打ち解ける上村氏

次回、ALTI 芸術劇場vol.25 は、若きイタリアの巨匠、クリスチャン・レオッタ氏による、ベートーヴェン『ピアノ・ソナタ』全曲演奏会の1st ステージです。開催日は2015 年12 月5 日(土)、12月9 日(水)、12月12日(土)、12月20日(日)の4 日間。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

撮影:神谷 潔

 

ご参加いただいた方々からのメッセージ

  • 毎年聴かせて頂いております。大変息のあったアンサンブルときれいな音に感動しました。(20代 男性)
  • このシリーズは毎年聴きにきていますが、いつも惹きこまれてしまいます。(30代 女性)
  • 重厚かつ繊細な音色ですばらしかった。(30代 男性)
  • 北九州から楽しみに来ています。ブラームスが特に良かったです。(40代 女性)
  • 質の高い内容でとてもよかったです。プレトークも楽しめました。(40代 男性)
  • 今日は程よい規模のホールで、心地良い音楽を楽しむことができ、大変よい日となりました。特にカヴァティーナの美しさが今日の発見です。次回も楽しみです。(40代 女性)
  • ベートーヴェン第1、第6 楽章がとても美しかったです。ブラームスは迫力の一言でした。すばらしい四重奏でした。ありがとうございます。プレトーク、抽選会やお茶会など、楽しい企画が多くて、いつも嬉しいおまけ付きでそちらも楽しみです。昨年は12/20 誕生日にホテル券が当たり、華やかなバースデーでした。(50代 女性)
  • 毎年この演奏会の為に、広島から京都に来るのを楽しみにしています。いつも素晴らしい演奏に感動しています。プレトークは、あまり音楽知識のない自分にとって、有意義です。(60代 男性)
  • 弦楽四重奏団、いつの間にか毎年楽しみにしています。今年も本当に楽しく聞けて良かったと思います。ベートーヴェンの第13 番は人生最後の作品だけあって夫々の楽器の良さを充分に生かし、最高の組み合わせになっていると思いました。聞き応えがありました。来年もいい音楽を聞かせてください。楽しみにしています。(60代 女性)
  • ここ数年、毎回足を運んでいます。息の合った演奏を拝聴し、私の心を豊かにしていただき感謝しています。(70代 男性)
  • 内容をわからせてくれる演奏、4 人のバランスが良い。後半、響きがホールになじんで、ロマンティックな雰囲気が良く出ていた。(70代 女性)

 

公演インフォメーション

京都アルティ弦楽四重奏団

 アルバム

ALTI芸術劇場vol.24 京都アルティ弦楽四重奏団 公演日の様子

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